
胆嚢結石症(たんのうけっせきしょう)
● 胆嚢結石症とは? 胆嚢(たんのう)は肝臓の下面にある洋ナシ型の袋で、肝臓でつくられた胆汁を濃縮貯蔵しておく臓器です。 胆嚢結石は、胆嚢の機能が低下し胆嚢内にコレステロールやビリルビンが結晶化したもので、約 5〜7 %前後の人に見られます。症状として、右季肋部痛(みぎきろくぶつう)や右背部痛、発熱、黄疸(おうだん)などが見られます。 ● なぜ手術をするの? 胆嚢は胆汁を濃縮貯蔵していて、食事(特に脂肪)をとると収縮し、胆管を通じて胆汁を十二指腸へ送り出します。胆石ができていると、胆嚢が収縮したときに激しい痛みを伴うことがあります。また、胆嚢炎を引き起こすこともあります。痛みの発作や胆嚢炎を繰り返すような場合は胆嚢摘出術の対象になります。また健康診断などで胆嚢内にポリープが発見され、そのポリープの大きさが1cmを超えるような場合にも胆嚢摘出術の対象になります。 |
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● あなたの胆石はどのタイプ?
胆石は、コレステロ−ルを主成分とするコレステロ−ル系結石、胆汁色素であるビリルビンを主成分とするビリルビン結石、黒色石に大別されます。欧米諸国では、以前からコレステロール系結石が多く、わが国でも食生活の欧米化とともに次第にコレステロール系結石が多くなり、60%を占めるようになりました。
結石の大きさは、1〜2mmの砂様なものから、ゴルフボ−ルより大きいものまであります。胆石の数も1個から数百個まで様々です。
(1)コレステロール胆石
よくコレステロールが貯まると胆石ができるなんて耳にしますが、実はコレステロールが主成分でできた石が全体の 60%を占めます。これらコレステロール胆石は、胆汁内のコレステロール濃度が過剰となることが原因とされ、加齢、肥満、女性、妊娠、食生活などが原因とされます。またこの結石は胆汁が濃縮される場である胆嚢で多くみられます。発生頻度が一番高く、これらの結石が一番良く耳にするのではないかと思います。
(2)色素胆石
他の胆石として、色素胆石と呼ばれ黒色石とビリルビンカルシウム石があります。それぞれ胆石全体の 20%を占めます。黒色石は、ビリルビンが主成分となります。血液の病気でビリルビンが多くなる病気、肝硬変や心臓弁置換術後などでみられます。この石も胆嚢内で形成されます。ビリルビンカルシウム石は、胆汁の流れが悪くなり腸内細菌(大腸菌が多い)の感染を起こしてそれに反応してできた石と考えられています。ですから、この結石は胆嚢ではなくて胆管にできやすい石です。
● どんな手術?
胆嚢摘出術には、腹腔鏡(ふくくうきょう)を用いて手術する場合と、開腹して手術をする場合とがあります。
(1) 腹腔鏡下胆嚢摘出術
お腹に1〜4ヵ所の小さな穴をあけて、腹腔鏡を挿入し、内部を観察しながら胆嚢を切除する方法です。現在、胆石症の標準的な手術になっています。麻酔は全身麻酔で行います。一般に手術時間は30分〜1時間くらいで、術後2〜5日間の入院となります。当院では、通常より細い鉗子を用いて手術を行っており、キズが小さく美容的で、手術後の痛みも少なく、早期の社会復帰が可能です。また、キズは吸収する糸で縫っているので抜糸の必要がありません。
(2) 開腹手術
全身麻酔で行います。一般に手術時間は2時間くらいで、術後7〜10日間ほどの入院になります。
※ 手術法は患者さんの状態によって変わりますので、医師の説明を十分に受けて下さい。
● 手術の合併症は?
これらの合併症は、通常術後2週間以内におこります。2週間経過した時点で、これらの合併症が無ければ、それ以後に新たに発生する危険性はほとんどありません。
- 1. 出血
- 2. 感染(肺炎、創感染、腹腔内膿瘍)
- 3. 総胆管損傷 ・胆汁漏
- 4. 梗塞(脳梗塞、心筋梗塞、肺梗塞)
胆嚢摘出術は、胆嚢炎の程度によって手術の難しさはかなり左右されます。胆嚢の炎症や、周囲の臓器との癒着(ゆちゃく)が軽い場合には安全にできますが、胆嚢炎が激しい場合には一転して非常に難しい手術となります。腹腔鏡を使って手術を開始しても、炎症や癒着が強く危険を伴うときは、開腹手術に切り替えることがあります。
手術中に胆管など胆嚢のまわりにある重要臓器を傷つけることはほとんどありませんが、胆嚢周囲の炎症や癒着がひどい場合には、まわりの臓器を傷つけることがあります。
手術中に輸血が必要になることは少ないのですが、炎症などによって輸血が必要になる可能性もあります。一般的に胆嚢や胆管などの病気は、患者さんの状態により手術の難しさにかなりの開きがでます。
● 手術後の注意
胆嚢を取ってしまっても胆汁が出なくなるわけではありませんので、ほとんど身体には影響ありません。しかし、ときに胆汁の分泌を促す薬(ウルソ)が必要になることもあります。
医師の指示にしたがって服薬して下さい。


