医療技術部
Medical Technology Department

放射線科

放射線科は10名の放射線技師が、一般撮影、透視、骨塩定量、CT、MRI、血管造影、手術中撮影等の画像診断を行っています。時間外の急患対応でも検査が出来るように24時間体制で技師を配置しております。
スタッフ一同、患者様への安全かつ最良な医療の提供を心掛け、日々業務に取り組んでいます。

機器の紹介

血管造影撮影装置

全身の血管を少量の造影剤を使用し、血管形状や流れる様子を撮影します。(血管造影)当院では、血管の状態を正確に診断するだけではなく、細くなった血管を拡げる血管拡張術、詰まった血管の血栓を溶かし回収する血栓回収術、動脈瘤を専用の金属で詰めるコイル塞栓術などの血管内治療(IVR)にも積極的に取り組んでいます。また、回転 DA/DSA で得られる 3D 画像や、CT 画像のような断面図をワークステーションで再構成するなど、ハイスペックな装置となっております。当院は、島津メディカル社製装置(バイプレーン)とフィリップス社製装置の最新機種2台を導入し、島津メディカル社製装置では全身の血管撮影に対応、フィリップス社製装置は心臓、下肢の血管撮影に対応しており、さらに万全な体制を整えております。

フラットパネルDSA

MRI

磁石の磁場(磁気共鳴現象)を利用し体の中の水素原子の動きをキャッチして、コンピューター処理により画像を作り出す装置です。組織による水分子の量の違いを画像にし、あらゆる角度の断面像や血管だけの画像を造影剤無しで作ることができます。体全体のいろいろな部位を目的に応じて検査することができ、磁場を利用しているためX線による被ばくの心配もありません。緊急を要する脳梗塞や脳出血の早期診断、小さな骨折や炎症を伴う病気などの診断には大変有用な検査です。当院ではGE社製の最新式MRI装置 Signa Pioner 3.0T(テスラ)を導入致しました。従来よりも広くなった筒状のトンネルの中で検査を行い、高精細の画像でより精密に検査を行う事ができるようになりました。また検査によっては従来よりもかなり音の静かな撮影も可能となりました。

MRI

マルチスライスCT

1度の X線照射で多断面を同時に撮影し、高速で精度の高い検査を行うことができます。当院が導入しております GE 社製の64列マルチスライス CT は必要最低限の線量で広範囲を短時間でスキャンできるようにプログラムされており、質の高い検査を安心して受けて頂くことができます。また検査データを元に再構成画像や3D 画像を任意に作成できる専用コンピューター(ワークステーション)を導入しており多様な検査に対応できる様になっております。さらに新病院開設に伴いソフトをバージョンアップし、より低線量で高画質な検査を提供できるようになっております。

マルチスライスCT

一般撮影

一般撮影検査とはX線を利用したレントゲン撮影の事で主に、胸部・腹部・全身のほねの撮影を行います。胸部の撮影では肺炎・肺癌などの疾患や心臓の形・大きさなどを知ることができ腹部の撮影では腸管ガスや臓器の様子、また尿管結石なども知ることができます。レントゲン撮影は簡便で迅速な検査が行える為、病気・怪我の第一段階として行われる検査です。当院では 2018 年6月の機器更新でCRシステムの最新型FPDシステム(コニカミノルタ社製)を導入し、従来に比べ、少ない被ばくでよりきれいな画像を撮影することができるようになりました。また、画像処理スピードも従来の約 6 倍速くなり患者様により優しい検査を提供できるようになりました。

骨密度測定装置

日本の骨粗鬆症患者は、約1,300万人と言われ、10人に1人が骨粗鬆症です。また、骨折・転倒は、「介護が必要となる原因」の第4位です。(厚生労働省大臣官房統計情報部 国民生活基礎調査 平成25年より)
骨折の影響で寝たきりにならないためにも、ご自身の骨の状態を知ることは大切です。
当院で導入した骨密度測定装置「Horizon」の測定では、無理な姿勢ではなくリラックスして検査を受けられます。
検査結果は保存されますので、定期的に検査を受けることにより、さらに精度の高い診断が望めます。

骨密度測定装置

MRI検査の注意事項

MRI検査は強力な磁気を利用し骨や臓器・血管など、体の状態を撮影する検査です。そのため体の中に金属が入っている方は検査が出来なかったり、いろいろな注意事項があります。また安全に検査を行うため、着替えていただきますのでご了承ください。

● 磁気を用いる検査ですので、所持品を持ち込まれると破損したり、画像に影響を与えたりします。MRI検査室には以下の持ち込みはできません。
・磁気カード
キャッシュカード、クレジットカード、診察券、テレホンカード、JR・地下鉄等のパスカード、その他の磁気カード類
・精密機器
携帯電話、時計、補聴器 等
・金属類
義歯、眼鏡、財布、鍵、ライター、ボールペン、カイロ、 ヘアピン、アクセサリー 等

● 強力な磁気を利用して検査を行います。磁石式の義眼・アタッチメント義歯のある方は磁力がなくなり、吸着しなくなる恐れがあります。

● 刺青・タトゥー・アートメイクをされている方は顔料に金属成分を含んでいる場合が有り、火傷や絵崩れを起こす可能性があります。またアイシャドーやアイラインも同様に火傷の可能性がありますので事前に落としていただくようお願いします。

● 外傷や手術などで体内に金属のある方は材質により撮影できない場合があります。事前に申し出てください。

● 膵臓・胆嚢の検査(MRCP)を行う場合、検査開始3時間前からは食事を取らないでください。水分は取られてよろしいです。

● 現在のところ胎児に関するMRI検査の安全性は確立されていません。妊娠をしている方また可能性のある方は必ず事前に申し出てください。

● トンネルのような狭い所に入って行う検査です。閉所恐怖症のある方は申し出て下さい。

3TMRIの安全基準

当院では3TMRIの導入に伴い、新たに安全基準を定めました。

禁忌事項
体内デバイスや対象となるもの コメント
心臓ペースメーカー
可変圧式バルブシャント
人工内耳、人工中耳
埋込型インスリンポンプ
磁石式の義眼・インプラント/人工肛門
妊娠または可能性のある方
材質に関係なく当院では撮影できません。

※3T対応心臓ペースメーカー、妊娠の可能性のある方は場合により撮影することもあります。ご相談ください。
禁忌事項
体内デバイスや対象となるもの
心臓ペースメーカー
可変圧式バルブシャント
人工内耳、人工中耳
埋込型インスリンポンプ
磁石式の義眼・インプラント/人工肛門
妊娠または可能性のある方
コメント
材質に関係なく当院では撮影できません。

※3T対応心臓ペースメーカー、妊娠の可能性のある方は場合により撮影することもあります。ご相談ください。
医師確認事項
体内デバイスや対象となるもの コメント
脳動脈クリップ
血管内ステント
血管内フィルター
血管内コイル
薬剤注入ポート
人工血管
消化管吻合クリップ
血管内ステント
胆管ステント
人工関節
置針
人工骨頭
整形外科手術でのスクリューやプレート
外傷による金属片(鉄片や銃弾片)
刺青(タトゥー・アートメーク) 等
材質または手術を行った日が確認でき、指示医の許可があれば撮影可能
医師確認事項
体内デバイスや対象となるもの
脳動脈クリップ
血管内ステント
血管内フィルター
血管内コイル
薬剤注入ポート
人工血管
消化管吻合クリップ
血管内ステント
胆管ステント
人工関節
置針
人工骨頭
整形外科手術でのスクリューやプレート
外傷による金属片(鉄片や銃弾片)
刺青(タトゥー・アートメーク) 等
コメント
材質または手術を行った日が確認でき、指示医の許可があれば撮影可能

MRI検査中のお願い

●ベッドに仰向けに寝て、体の力をぬいてリラックスしてください。
●検査時間は約30~60分程度です。
●痛みを伴うような検査ではありません。
正確な検査が行えるよう体を動かさないようにお願いします。
●トントンという大きな音がしますが、信号の切り替え時に出る音ですのでご安心ください。

検査中はブザーを持って検査を受けていただきます。何かあれば鳴らして下さい。

CT・MRI検査前の食事について

基本、どこの部位の検査でも特には食事・水分の制限は行っておりません。
ただし、MRI検査ではMRCP検査、CTでは心臓・胆嚢・膵臓の検査の場合は食事を検査前3~4時間程度止めて頂きます。
詳しくはスタッフにお聞き下さい。

造影CT・MRI検査について

造影検査とは?

造影検査とは、造影剤の注射をして行う検査です。
この検査により病変の性状や部位などがわかりやすくなり、診断に大変役に立ちます。
CT造影検査ではヨード造影剤、MRI造影検査ではガドリニウム造影剤を使用します。
注射された造影剤は、腎機能が正常であれば注射後約6時間で90%が尿となって排出され、やがて全てが体外へと排出されます。
腎機能は採血した血液から調べることができます。

造影剤の副作用について

造影剤は安全な薬剤ですが、他の薬と同様に造影剤による副作用が生じる場合があります。
また副作用には、検査中や直後に生じる即時性副作用と、検査終了後数時間から数日後に起きる遅発性副作用があります。

・即時性副作用
発疹、吐き気、動悸、かゆみ、めまい等の比較的軽い症状が約5%
呼吸困難、血圧低下、ショック等の重い症状が約0.04%で出現します。
極めて稀ではありますが、病状や体質によっては、40万人に1人の確率で死亡する場合もあります。

・遅発性副作用
まれに、検査終了後数時間から数日後に嘔吐、発疹、呼吸困難、発熱等の症状が出たりすることがあります。

造影剤注入時について

造影剤注入時は体が熱く感じられますが、正常な現象ですのでご心配なさりませんようお願いします。

ヨード造影剤と他の薬剤併用について

糖尿病薬の中のビグアナイド系薬とヨード造影剤を併用することにより急性腎障害を起こす可能性があります。
ビグアナイド系糖尿薬を飲まれている方で、CT造影検査が必要場合は主治医と相談し検査前後で休薬して頂きます。
詳しくはスタッフにご相談下さい。

造影検査を行う場合は検査前に問診をさせて頂きます。

その他の注意事項

【造影剤アレルギー歴の確認】
過去に造影剤アレルギー歴のある方は、副作用発現率が3~9倍高いと報告されています。
過去に造影剤でアレルギーがあった方は問診時必ず申し出て下さい。

【気管支喘息のある方】
気管支喘息の方は造影剤による重篤な副作用の発現率が高く、気管支喘息やアレルギー歴のない患者と比べて約10倍高いとされています。
小児喘息の既往がある方で現在、無治療・無症状の方もスタッフに申し出て下さい。

その他分からないことがあればご相談下さい。


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