内科系診療部
Department of Internal

糖尿病センター

2023年4月に私田尻が当院赴任後に糖尿病センターを設立し、食事・運動などの療養指導、網膜症や腎症などの合併症の評価、治療方針の確立(インスリンやGLP-1製剤の導入)、教育入院など、キメが細かく質の高い糖尿病診療を提供すべく日々研鑽を重ねております。
当センターには経験豊富な日本糖尿病学会認定専門医(内2名が研修指導医)が在籍しており、血糖コントロール困難例にも十分対応できる体制を整えております。また、内分泌疾患、肥満症、脂質異常症、高尿酸血症、骨粗鬆症などの診療も行っています。
当センターでは循環器内科、消化器内科、外科、整形外科、眼科、泌尿器科、脳神経外科など他の診療科との密な連携によりスピーディで確実な診療を心がけています。

糖尿病について

今や国民病とも言われる糖尿病の患者は、「糖尿病が強く疑われる人」1,000万人と「糖尿病の可能性を否定できない人」1,000万人を合わせると、全国に2,000万人いると推定されています(平成28年国民健康・栄養調査、厚生労働省)。このように非常にありふれた病気ではありますが、放置すれば重篤な合併症のため生活の質を低下させ生命予後すら脅かす可能性を秘めた恐ろしい病気でもあります。糖尿病網膜症により約3,000人/年が失明し、糖尿病性壊疽により約3,000人/年が下肢切断を余儀なくされています。血液透析の原因疾患として糖尿病腎症は1998年以降No.1の座を譲っておらず、約16,000人/年が糖尿病を原因として新たに透析導入となっております。
このような状況を踏まえて、行政もようやく取り組みを始めています(「糖尿病性透析予防指導管理料」の算定、「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」の策定など)。しかしながらこのように合併症が重症化するずっと前の段階から、早期に介入し適正な治療を施すことが何より大切であり、そのためには糖尿病に対する正しい知識と理解を促すべく患者教育や療養指導が喫緊の課題です。当センターには糖尿病療養指導士(CDE)の資格を有する、経験豊富なコメディカルスタッフが多数在籍しており、上記の質の高い糖尿病医療を提供することが十分可能です。糖尿病診療は、我々医師の力だけでは成り立ちません。スタッフの方々と力を合わせて、「合併症のない幸せな人生」を目標に日々の指導や治療に臨んでいます。

診療の対象疾患

  1. 糖尿病(1型、2型、その他)
  2. 甲状腺の病気(バセドウ病、橋本病、甲状腺癌、甲状腺眼症など)
  3. その他内分泌疾患(副甲状腺、下垂体、副腎など)
  4. 脂質異常症
  5. 脂肪肝
  6. 痛風(高尿酸血症)
  7. 肥満症(メタボリック症候群)
  8. 骨粗鬆症

循環型糖尿病医療連携について

当センターでは糖尿病合併症の重症化予防を目的として、「循環型糖尿病地域医療連携」システムの構築を進めております。

  • 定期受診は先生方のクリニックに通院して頂きます。
  • 6ヶ月に1回程度当センターに外来受診して頂き、血糖コントロールや合併症の評価、治療方針の再確認、療養指導(食事・運動指導など)を行います。
  • かかりつけ医と糖尿病専門医の二人主治医体制により、きめの細かい糖尿病診療が可能となります。
  • 治療が中断されないことにより、健康寿命の延伸に貢献できます。
  • 医療連携のやりとりは、糖尿病連携手帳、その他(パスシートや療養指導サマリーなど)を用いて行います。

合併症抑制に向けての病診連携の流れ(循環型糖尿病地域医療連携)

福岡市東区が糖尿病医療連携のモデル地区となり、質の高い医療を提供できることを目標にしております。先生方のご理解とご協力を、何卒よろしくお願い申し上げます。

医療機関の先生方へ

新患のご紹介にあたって特に予約していただく必要はございません
お電話1本またはご紹介状1通いただければ結構です。気軽にご相談ください。
【医療連携室】
TEL:092-672-9182(9:00~17:00)
FAX:092-681-9972

以下のような糖尿病患者さんをご紹介頂けましたら幸いに存じます。

  • ① 食事・運動療法など療養指導が必要な患者
  • ② 網膜症や腎症、動脈硬化など合併症の評価が必要な患者
  • ③ 血糖コントロールに難渋する治療困難な患者
  • ④ 減量目的の肥満症患者
  • ⑤ 上記をまとめて教育入院が必要な患者
  • ⑥ 循環型地域医療連携を希望される患者

文責:糖尿病センター長 田尻 祐司


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